前作『グリース』から2年後の設定となるライデル高校を舞台にキャストを一新した青春ミュージカル映画です。高校や不良グループの設定は踏襲しながらも、前作の話題は触れずに新しいストーリーが展開されます。

製作は前作と同じく、ロバート・スティグウッド、アラン・カー。そして、前作で振り付けを担当したパトリシア・バーチが監督を務めます。本作が彼女にとって、最初で最後の監督作品となります。

前作は人気絶頂のジョン・トラボルタとオリビア・ニュートン・ジョンという二大スターをW主演とし世界中で話題になりましたが、本作では新人のマックスウェル・コールフィールドとミシェル・ファイファーというほぼ無名の二人が主演を務めます。さすがにこの二人には荷が重かったようです。

残念ながら、興行成績は奮わなかったものの決して悪い出来ではなく、さすが元振り付け師が監督しただけあり、場面に合わせた音楽とダンスは印象深い仕上がりになっています。もっとヒットしても良かったのでは?と思いますが、前作の大スター2人の競演が強烈すぎたのかもしれませんね。

主演のマックスウェル・コールフィールドは、この先あまりヒット作に恵まれませんでした。なかなかの二枚目で黒い革スーツ姿も結構イケているのに残念です。

もう一人の主演、ミシェル・ファイファーは本作の時点で映画出演はまだ3作目の初主演で、初々しさが感じられます。ピンクのジャンバーの腕をまくった姿がキュートで、日本人好みの可愛らしさが印象深いですね。

彼女は、その後もキャリアを重ね、1989年には『恋のゆくえ/ファビュラス・ベイカー・ボーイズ」にて、アカデミー主演女優賞にノミネートされます。1992年には、『バットマン リターンズ』でキャット・ウーマンを演じたことでも話題になりました。

ミュージカル映画『ヘアスプレー』では、ジョン・トラボルタと競演したため、ライデル高校の先輩、後輩を同時に観ることができたのです。新旧の『グリース』の主演の競演というファンにはたまらないものですね。

ミシェル・ファイファーは『ヘアスプレー』では、冷酷なプロデューサー役を演じ、力のある歌を披露してくれましたが、『グリース2』では、あふれんばかりの若さ全開の歌をお披露目してくれます。

ダニーとサンディが卒業して2年後のライデル高校にサンディのいとこマイケルが転校してくるところから、物語は始まります。マイケルは転校初日にステファニーに一目惚れします。

マイケルは勉強がよくできる優等生、対するステファニーはピンク・レディースという女不良グループのリーダー。前作とは、男女の立場が逆になっています。

マイケルはステファニーに相手にしてもらえないことを悩んでいると、友達の小学生の妹から「彼女と仲良くなりたければ、バイクがないとダメよ」とアドバイスをもらい、クラスメートの宿題で稼ぎはじめ、バイクを手に入れることになります。

ある日、ボーリング場でT・バーズが敵対する不良グループと一触即発になりそうな場面に、突然黒ずくめのバイクの男が現れ、事なきを得るのですが、ステファニーは、この謎のバイクの男に一目惚れしてしまいます。

全編に流れる60年代のロック・ミュージックが心を躍らせる青春恋愛ムービーです。