1971年に舞台化されたブロードウェイ・ミュージカルの映画化です。1970年代『サタデー・ナイト・フィーバー』で人気絶頂だったジョン・トラボルタと数々のヒット曲を生み出したポップクィーンのオリビア・ニュートン・ジョンという、二大スター夢の共演の青春ミュージカル映画です。

トラボルタのキレたダンスと高い歌声、そして、オリビアの歌唱力に世界中の若者が魅せられました。プラムで踊る二人のダンスに思わず笑みも浮かびます。

1950年代の、まさにアメリカの高校生というシチュエーションに、多くの日本の若者が憧れました。リーゼントの革ジャン姿で派手なアメ車を乗り回す男子高校生、おしゃれに夢中な女子高生など、日本の高校生徒とのあまりの違いに驚かされました。

サウンドトラック・アルバムも世界中で大ヒットしました。1978年のアメリカ国内で2番目に多く売れた記録を残しています。ちなみに第1位の売り上げをあげたサウンドトラックは、ジョン・トラボルタ主演の『サタデー・ナイト・フィーバー』です。

『グリース』のサウンドトラック・アルバムは世界中でヒットしました。1978年には、アメリカBillboard200、全英アルバムチャート、オーストラリアのケント・ミュージック・レポートでそれぞれ1位を獲得しました。翌年の日本でも、オリコン週間LPチャートで1位を獲得しました。

さらに、第51回(1979年)アカデミー賞で、劇中でオリビア・ニュートン・ジョンが歌った、ジョン・ファーラーの『愛すれど悲し(Hopelessly Devoted to You)』が歌曲賞にノミネートされるなど、話題になりました。監督は、『青い珊瑚礁』、『青い恋人たち』など、若者の青春ストーリーを得意とするランダル・クレイザーです。

サマー・バーケイション、避暑地で知り合ったダニーとサンディは、ひと夏の恋に落ちるのだが、夏休みの終わりとともに二人の別れが訪れます。

ひと夏の恋で終わったはずの二人だったが、サンディは父親の転勤で転校することになった。ところが、その高校には、偶然にも避暑地で知り合ったダニーがいる高校でした。サンディは思わぬ再会に歓喜するのですが、実はダニーはT・バーズという不良グループのリーダーだったのです。

一方のサンディは、お金持ちのお嬢様で超マジメでウブな女子高生。ダニーは、テカテカのリーゼントに革ジャンをまとった不良グループのリーダーという立場、学校ではいつもクールにキメているので、仲間の手前サンディに対して、ついつれない冷たい態度で接してしまいます。

つれない素振りをするダニーに対して、サンディは戸惑い友達に相談します。その後、誤解が解けるとダニーとサンディは再び恋に落ち、ダンスコンテストでペアを組むことになります。

しかし、コンテスト当日、T・バーズと敵対する不良グループ、スコーピオンズの悪巧みによって、ダニーのダンス・パートナーの相手からサンディが外されることになってしまいます。そして、いよいよT・バーズとスコーピオンはカーレースで決着をつけることになります。

あまりに環境の違う二人の恋の行方を、軽快な音楽とともにお楽しみください。