キャッチコピーは、『ダンス、音楽、永遠の青春・・・すべてのエンターテインメントの歴史がここに!』1961年の作品ですが、どの時代に観ても若い人から感銘を受けることができる有名なミュージカル映画です。アカデミー賞では、作品賞、監督賞をはじめ10部門を受賞した正真正銘の最高傑作です。

日本においても、本作は大ヒットし、『ベン・ハー』を越える記録的興行成績を残し、配給収入は13億円となりました。劇中で『トゥナイト』、『アメリカ』、『マンボ』、『クール』、『マリア』など、歌われた曲も多くサウンドトラック・アルバムが世界中でヒットしました。今でも愛され続ける名曲ばかりです。

監督はロバート・ワイズとジェローム・ロビンスの両監督。ロバート・ワイズは、その後『サウンド・オブ・ミュージック』でも、アカデミー賞監督賞を受賞しています。

主演は、ジェームズ・ディーンの『理由なき反抗』で、アカデミー賞助演女優賞を受賞したナタリー・ウッド。本作『ウエスト・サイド物語』で大スターの仲間入りをしました。

そして、もう一人の主演はリチャード・ベイマーです。しかし、彼は本作の後は、作品にめぐまれず目立った活躍はしておりませんが、1990年にテレビドラマ・シリーズ『ツインピークス』で復帰したときに、すっかり風格ある姿でファンを喜ばせました。

日本では、主演の二人よりも助演のジョージ・チャキリスの方が人気が爆発しました。親日家でもあり、日本でのドラマ出演や舞台出演などもありました。甘いマスクが日本の女性には好みだったようですね。彼は、本作でアカデミー賞助演男優賞を受賞しています。

移民による人種の差別問題に重点を置き、縄張り争いを行う凶暴化する若者たちの世相など、当時のアメリカが抱えていた社会問題をミュージカル映画で描いた問題作です。この後の若者たちのグループ映画に多大に影響を与えました。

アメリカ、ニューヨークのウエスト・サイドには白人系のジェット団とプエルトリコ系のシャーク団という不良少年の二つのグループは、屋上運動場の占有権を巡って敵対関係にあり、常にお互いの行動を監視し合い、一触即発の危険な空気となっています。

そんな中、中立地帯のダンス・ホールでマリアとトニーの二人は出会います。そして、ダンス・パーティーでお互いが惹かれ合った。しかし、マリアはシャーク団のリーダー、ベルナルドの妹、対してトニーはジェット団の前リーダーであり、現リーダー、リフの親友だったのです。二人の選んだ愛は危険なものだったのです。

そして、とうとう両グループは、衝突することになってしまいます。マリアは争いを止めようとします。トニーが両者の間に割って入るのですが、興奮している両者はトニーに耳を貸すことはありません。両グループは、リーダー同士の対決を始めます。

決闘の末、ジェット団リーダー、リフがベルナルドに刺され殺されてしまいます。親友リフを殺されたことで、今度はトニーがベルナルドを殺してしまいます。トニーは、逃亡することにしますが、シャーク団と警察に追われます。

正直、結局みんなが傷ついてしまって終わりを迎えるという、悲劇のミュージカル映画です。