『シカゴ』のロブ・マーシャル監督が再び仕掛けた『NINE』

映画初監督で、アカデミー賞作品賞を受賞したロブ・マーシャル監督が、『シカゴ』のスタッフを集結して挑んだ超豪華キャストで贈るミュージカル映画です。

スランプに陥ってしまった映画監督と彼を取り巻く多くの美しい女性たちへの愛に対する現実のプレッシャーと幻想の世界を描いた作品です。そして、出演陣はまさに豪華です。

主演の映画監督グイド・コンティーニを演じるのは、アカデミー賞主演男優賞を3回も受賞したダニエル・デイ・ルイス。3回も同賞を受賞したのは史上、彼だけです。この人が主演するというだけで、この映画の価値がいかなるものか分かります。

映画監督グイドの妻ルイザに『エディット・ピアフ~愛の讃歌~』で、アカデミー賞主演女優賞を受賞したマリオン・コティヤール。『TAXi』シリーズ、『ダークナイト・ライジング』などのアクション映画にも登場します。驚くほど力強い歌声を聞かせてくれます。

グイドの愛人カルラには、『オール・アバウト・マイ・マザー』、『バニラ・スカイ』のペネロペ・クルス。彼女も『それでも恋するバルセロナ』でアカデミー賞助演女優賞を受賞したオスカー女優です。

そして、『ラビット・ホール』、『アザーズ』のニコール・キッドマン。『ムーラン・ルージュ』に続いて、2回目のミュージカル映画出演となりますが、同作にくらべ本作はシリアスな役柄を演じています。やはり、彼女も『めぐり逢う時間たち』でアカデミー賞主演女優賞を受賞しています。

グイドの友人のデザイナー役で、『007』シリーズのM役で有名なジュディ・デンチも華麗なステップと力強い歌声を披露してくれます。彼女もまた『恋におちたシェイクスピア』で、アカデミー賞助演女優賞を受賞したオスカー女優です。

グイドの母親役でソフィア・ローレンが登場するのにも驚かされました。登場時間は短いものの、大女優の存在感、風格があります。この方も『ふたりの女』で、アカデミー賞主演女優賞を受賞したオスカー女優です。

メイン・キャストがすべてオスカー俳優を集めることができたというのも、ロブ・マーシャル監督の前作『シカゴ』がいかに素晴らしく、本作が期待されていたことが伺えます。

映画監督のグイドは、新作映画の制作に行き詰まっています。タイトルと主演女優は決まっているものの脚本は進まず、記者会見中に逃げ出してしまいます。ホテルに逃げたグイドは愛人のカルラを迎え入れるのだが、関係者に見つかり、そこで撮影することになります。

撮影所では、妻のイルザとカルラが鉢合わせしてしまい、ビジネスとプライベートの狭間で悩むグイドには昔の女性たちの幻影たちが次々と現れます。やがて、妻は彼の元を去り、妻を失ったグイドは新作映画の制作を断念します。そして、2年間抜け殻のような彼の元に昔ながらの友人のデザイナー、リリーが訪れます。

ラスト・シーン、グイドが静かに口にします・・・「アクション」。その映画のタイトルは『NINE』、思わず鳥肌が立つようなシーンです。エンド・タイトルで撮影中の練習風景が映し出され、俳優陣の必死な姿を観ることができるので、最後までお楽しみください。