スターを夢見る女子高生のサクセスストーリー『ヘアスプレー』

若いころ、だれもが憧れる、自分が有名スターになって活躍する世界。しかし、ほとんどの者が、その夢の世界を夢のままで終わらせてしまう切ない現実。でも、ミュージカル映画は自分の代わりに夢を実現してくれます。

そんな元気の出る映画『ヘアスプレー』。時代は、1960年代、まだ人種差別が残るアメリカ。主人公は、体型など気にしない、太めの女子高生トレーシー。彼女たちが人種差別と戦い、夢を実現しようとするサクセスストーリーです。

日本の女子高生とも変わらぬ日常、学校の授業はつまらない。授業後にテレビで放映されるダンス番組のイケメン・アイドルに憧れ、テレビの前で歌い踊る毎日、トレーシーもそんな普通の女子高生の一人。その彼女がオーディションに出ることになります。

アダム・シャンクマン監督の2002年製作のノリのいいミュージカル映画です。実は、本作は1988年のジョン・ウォーターズ監督の映画を基にしたリメイク作品です。

主演は《歌って踊れるぼっちゃりティーン》オーディションで、見事1000人の中から選ばれた、当時アイスクリーム屋でアルバイトをしていたニッキー・ブロンスキー。とても新人とは、思えない度胸のある役柄を無事こなします。

実は彼女、この映画のオーディション前に、同じ『ヘアスプレー』の舞台版でオーディションを受けていましたが、当時15歳の年齢が若すぎるという理由で落ちています。

同じ役柄を、今度は見事勝ち取ったのですね。まさにリアル版アメリカン・ドリームといったサクセスストーリーのようです。ところが、その後は、役に恵まれず、出演作は、わずか2本だけ。

現在は美容師の資格をとり、サロンで働いているそうです。やはりアメリカン・ドリームは夢か・・・と思ったところ、彼女は「私は決して夢を見失わないつもり」とツイート、現在でも女優の仕事のオーディションを受け続けているそうです。

その前向きな彼女の姿勢を応援したくなりますね。まるで劇中のトレーシーそのもののようです。またスクリーンで活躍する彼女を待ち続けたいと思います。

おしゃれとダンスに夢中な女子高生トレーシーは、毎日放映される人気ダンス番組『コニー・コリンズ・ショー』のダンサーになることを夢見ています。ある日、番組のキャストに欠員が出ることになり、オーディションが開催されることになります。

トレーシーは、母エドナの反対を押し切ってオーディションに参加することにしますが、体型を理由に、番組プロデューサーに落とされてしまいます。トレーシーは、失意の中、学校で居残りさせられてしまうのですが・・・。

オープニングからノリのいい音楽が流れ、この映画の方向性がうかがわれます。キャストも豪華です。トレーシーの父親役に『ディアハンター』、『デッドゾーン』の怪優クリストファー・ウォーケン。彼の歌とダンスが観られる作品も他にはありません。

そして、『グリース2』では不良少女、『バットマン・リターンズ』でキャット・ウーマンを演じたミシェル・ファイファーが貫禄あるプロデューサー役で、歌とキレのいいダンスを披露してくれます。

また、ハリウッドの名俳優ジョン・トラボルタが出演していることも話題になりましたが、ご覧いただいて分かったでしょうか。キレキレのダンスを披露してくれます。

そして、気付かれる方はまずいないと思いますが、1988年版の監督ジョン・ウォーターズがチョイ役で登場します。そのあたりも楽しんでご覧ください。