ドリーメッツに自分の未来を託すミュージカル『ドリームガールズ』

黒人女性3人組グループ《スプリームス》のメンバー、メアリー・ウィルソンの自伝 ” Dreamgirls : My Life As a Supreme ” がブロードウェイ・ミュージカルで上演され、それを映画化した作品です。

豪華な共演陣が話題になった、3人の女性ボーカリストを描くサクセス・ストーリー。そして、まだ人種問題が残る1960年代の白人社会の中で夢を追い続ける黒人ミュージシャンの栄光と挫折を描いたエンターテインメント、ミュージカル映画です。

主演の3人の女性ボーカリスト《ドリームズ》、彼女たちのマネージャー、カーティス・テイラー・ジュニア。演じるのは、『コラテラル』、『マイアミ・バイス』、『ジャンゴ 繋がれざる者』で大俳優の風格が出てきたジェイミー・フォックス。歌う場面は、多くはありませんが、渋い歌声を披露してくれます。

彼は、2004年には、『Ray』でレイ・チャールズを演じてアカデミー賞主演男優賞を受賞し、オスカー俳優の仲間入りを果たしました。同時に英国アカデミー賞主演男優賞、ゴールデングローブ賞主演男優賞を受賞しています。

そして、ビヨンセが女性ボーカリストのメンバーの一人として大活躍します。この役作りのために半年間の食事制限をして、10キロのダイエットをして撮影に挑みました。その甲斐もあり、本作でゴールデングローブ賞主演女優賞にノミネートされました。

その他の出演陣も豪華です。映画の前半で《ドリームズ》をバックにカリスマ的スター、ジェームズ・サンダー・アーリーを演じるのは、コメディ映画で有名なエディ・マーフィーです。

さらに、『リーサル・ウェポン』シリーズ、『SAW』のダニー・グローヴァーが、ジェームズ・サンダー・アーリーのマネージャー役で大俳優の貫禄を魅せてくれます。

劇中の当初は、グループのリーダー的存在だったエフィー・ホワイト役のジェニファー・ハドソンは、映画デビュー作だったのですが、その圧倒的な歌唱力でビヨンセを喰ったと話題となり、ゴールデングローブ賞助演女優賞、アカデミー賞助演女優賞を獲得しました。

1960年代、車の街デトロイトが舞台です。黒人女性3人グループ《ドリーメッツ》は、ライブハウスのオーディションに臨みますが、失敗します。しかし、彼女たちの実力に目を留めたのが、中古車販売を営むカーティス。彼は、その傍らで、芸能プロデュース業をしていたのです。

カーティスは、大物ミュージシャン、ジミー・サンダー・アーリーのバックコーラスとして、彼女たちを売り出すことになり、ジミーのバックコーラスとしてツアーに参加することになります。

しかし、その過程は順風満帆なものではありません。やがて、グループは、牽引役だったエフィーから、美貌のあるディーナ(ビヨンセ)を中心に活動スタイルを変えていくことになります。それが、きっかけでエフィーはグループを抜けることになります。

歌が上手いだけでは生きていくことのできないショー・ビジネス。前半では、黒人がショー・ビジネスで成功することの難しさを伝え、後半ではプロモートの必要性、プロデュースの力に頼るしかない現実を伝えます。一見華やかに見えるショー・ビジネスも、その裏は挫折の連続であることをまざまざと描いています。