2016年秋には、シーズン42になった、アメリカの公開コメディ番組『サタデー・ナイト・ライブ』。その番組人気コーナー『ブルース・ブラザース』から生まれたバンドを主人公に、1981年に映画化された作品の続編です。『ブルース・ブラザース2000』となっていますが、実際に製作されたのは1998年です。

1981年版同様、黒のソフト帽、サングラス、スーツ、ネクタイ、靴という黒ずくめで、まるでMen In Black。ブルース、R&B、ソウルなどの、往年の黒人ミュージシャンに対して敬意を込めています。前作のように体を張ったコメディ映画にアクションとミュージカルの要素を加えた作品となっています。

やはり、本物の豪華ミュージシャンが多数出演することで、他のミュージカル映画とは異なる質の高さをうかがえます。前回に引き続き、音楽界からは、ジェームス・ブラウン、レイ・チャイルド、スティーブ・クロッパーなどに加え、エリック・クラプトンやB.B.キングも出演し、世界中が驚きました。

このことは、出演者たち自身がキングやクラプトンをどうやって呼んだのだ、と不思議がるほどでした。キングやクラプトンの新ミュージシャンは、《ルイジアナ・ゲータ・ボーイズ》という、《ブルース・ブラザース》とバンド対決をするグループの一員として出演します。

このシーンだけでも、ミュージカル・コメディ映画ということを忘れて、まるで豪華アーティスト競演のライブ映像を観ているような感覚になります。

監督は、前作と同様ジョン・ランディス。脚本も同じくジョン・ランディスとダン・エイクロイドの共同執筆なので、基本的には設定は前作を踏襲していますが、困ったことに、主演の一人ジョン・ベルーシは、亡くなっています。

当初の企画段階では、ジョン・ベルーシの実弟、ジェームス・ベルーシが出演する予定で脚本の原案が書かれていました。彼は実際のオリジナル、《ブルース・ブラザース》バンドのメイン・ヴォーカルを担っています。もちろん、本人もノリノリで出演の予定でいました。

ところが、ダブル・ブッキングだったのです。当時のジェームス・ベルーシは、超売れっ子で、テレビドラマの契約がかぶっていたのです。ご存じの通り、アメリカは契約社会です。あらゆることが契約書で決められており、ドラマと並行しての他の出演はできないことになっていたのです。

そうして脚本は大幅に書き換えられることになり、兄弟二人の主演という設定から、《ブルース・ブラザース》バンドそのものを主演という発想に変更されることになりました。

18年の刑期を終えたエルウッドに兄ジェイクの訃報が入った。失意のエルウッドは、かつて過ごした孤児院を訪ねるとバスターという少年と意気投合し、昔の仲間を誘い《ブルース・ブラザース》バンドを復活させることになります。

しかし、バスターを勝手に連れ出したことで、警官と孤児院に追われる羽目になります。逃避行中、バンド・コンテストに出場することになり、ルイジアナ・ゲイター・ボーイズと争うことになります。

新メンバーでの、《ブルース・ブラザース》と《ルイジアナ・ゲイター・ボーイズ》のバンド合戦を、ぜび、お楽しみください。