映画、テレビドラマ、アニメ、舞台、バレイと、過去に何度も表現されてきた名作です。日本でも宝塚の舞台、沖縄の舞踏でも上演され、劇団四季におけるミュージカルとしても有名です。その原点は、ガブリエル=スザンヌ・ド・ヴィルヌーヴによって書かれたフランスの異類婚姻譚です。

1994年に初めてディズニーがブロードウェイの舞台に進出しました。その記念すべき第1作がこの『美女と野獣』です。ブロードウェイでは、5,461回もの公演を行い世界中の人たちを虜にした傑作ミュージカルです。

1946年、1991年(アニメ)、2009年、2014年と映画化されており、さらに2017年には、エマ・ワトソンが主演で再び映画化されます。これほど愛されている作品も珍しいのではないでしょうか。2020年には、東京ディズニーランドに、『美女と野獣』のアトラクションも完成します。

美しい村の娘ベルが、魔女の魔法によって野獣のような姿になってしまった城の王子に幽閉されてしまうのですが、勝ち気なベルはすんなりと王子の言うことは聞きません。しかし、徐々に心を交わせ合うようになります。やがて二人は手を取り合ってダンスをします。

このシーンは、有名ですね。黄色いドレスのベルが舞う姿は、名場面です。どの映画においても、アニメにおいても、舞台においても、このシーンでのベルの黄色のドレスは定番となっています。

人をその容姿で判断してはいけないといいう戒めであり、人を愛するという意味、真実の愛の姿がどのようなものであるかを説いた人間ドラマです。

深い森の中に城があります。そこに老女が訪ねてきます。その城に住む王子は、人を見た目で判断する冷酷な性格でした。そこにある夜、一人の醜い老婆が訪れます。老婆は、バラを1本渡すので、代わりにここで泊めさせて欲しいと懇願します。

しかし、王子はその老婆の醜さを理由に、願いを退けます。ところがその老女の真の姿は美しい魔女だったのです。魔女は王子の心の清さを試しにきたのでした。魔女は王子に試練を与えます。王子を醜い野獣の姿に変えてしまったのです。

そして、王子を戒めることなく自由気ままにさせていた召使いたちに対しても魔法をかけ、ある者は燭台に、ある者はティーカップなど、家財道具に変えてしまったのです。

美しい魔女は王子に鏡とバラを渡し、言います。「バラの花びらが散るまでに真実の愛を見つけなければ、二度と魔法が解けることはない」と。王子は絶望の中生き続けるのです。そして、森奥深い城を訪れる者はないまま10年の歳月が流れます。

そのころ町ではうぬぼれ屋のガストンが、ベルという美しい娘にプロポーズするのですが、ベルはうぬぼれ屋のガストンを好きにはなれません。

ある日、ベルの父が森に迷い込み王子の城に捕らわれてしまいます。ベルは自分が身代わりになるからといって、父を解放してもらいます。やがてベルは横柄な王子の態度に腹を立て、城から逃げるのです。

アニメや映画化も多いので観たことのある方も多いと思いますが、それぞれを見比べてみてはどうでしょうか。